総合評価方式を勝ち抜く!施工計画書の書き方【完全攻略ガイド】
近年、公共工事を中心に総合評価方式の入札が増加しています。従来の価格競争に技術力やノウハウといった要素を加え、より質の高い工事を目指すこの方式。受注を目指す建設業者にとって、施工計画書は自社の技術力をアピールする重要な武器となります。しかし、「具体的に何をどう書けばいいのかわからない…」そんな悩みを抱えていませんか?
本記事では、総合評価方式を理解した上で、審査員に評価される施工計画書の書き方を徹底解説いたします。ぜひ最後まで読み込み、受注率アップに繋がる施工計画書を作成しましょう!
総合評価方式とは?
総合評価方式とは、単に低い価格のみを評価するのではなく、価格に加えて技術力やノウハウ、創意工夫なども評価基準に加えることで、より良い品質の工事を適正な価格で発注することを目的とした入札方式です。従来の価格競争では、価格の安さばかりが重視され、品質が犠牲になってしまうケースも見受けられました。そこで、品質と価格の両面から総合的に評価することで、より質の高い工事を目指そうという考えから生まれました。
総合評価方式は、主に以下の2つの方式に分けられます。
- 技術提案方式:技術提案書と入札価格の合計点で評価する方式
- 提案コンペ方式:技術提案書のみで評価し、上位数社と価格交渉を行う方式
いずれの方式においても、施工計画書は技術力を示す重要な資料となります。施工計画書の内容が、受注の可否を大きく左右すると言っても過言ではありません。
審査員は何を見ている?評価ポイントを押さえよう!
総合評価方式では、単に施工計画書の内容だけでなく、「発注者の課題を理解し、最適な解決策を提案できているか」という点が重視されます。そのため、審査員の視点に立って、評価ポイントを意識することが重要です。
施工計画書の主な評価ポイントは以下の通りです。
1. 施工計画の具体性・実現可能性
机上の空論ではなく、実際に実行可能な計画であることを具体的に示す必要があります。例えば、工程管理、品質管理、安全対策など、各項目において具体的な方法や手順を明確に記載しましょう。数値や図表などを用いることで、より説得力が増します。
2. 技術力・ノウハウ
過去の施工実績や保有資格などを活用し、自社の技術力の高さをアピールしましょう。特に、類似工事の経験があれば積極的にアピールポイントとなります。また、最新の技術や工法を採用することで、より効率的かつ高品質な施工が可能であることを示すことも有効です。
3. コストパフォーマンス
品質を保ちつつ、いかにコストを抑えることができるかという点も重要な評価ポイントです。無駄な工程を省き、効率的な施工計画を立てることで、コスト削減を実現できることをアピールしましょう。また、資材の調達方法や人員配置など、コスト削減につながる工夫があれば具体的に記載することで、評価アップにつながります。
4. 安全性・環境への配慮
近年、安全対策や環境問題への意識が高まっています。工事現場における安全対策や周辺環境への配慮は、もはや当然のこととして求められます。具体的な安全対策や環境保全対策を盛り込み、地域社会との共存を意識した施工計画であることをアピールしましょう。
勝てる施工計画書の書き方【7ステップ】
ここからは、実際に評価される施工計画書の書き方を7つのステップに分けて解説していきます。
ステップ1:工事内容の理解を深める
まずは、設計図書をよく読み込み、工事内容をしっかりと理解することが重要です。どのような構造物を作るのか、どのような工法が想定されているのか、周辺環境はどうなのかなど、あらゆる角度から工事内容を分析しましょう。
ステップ2:発注者の課題・要望を分析する
発注者の立場になって、どのような課題や要望があるのかを分析することも重要です。コスト削減、工期短縮、品質向上など、発注者が何を求めているのかを把握することで、より具体的で効果的な提案を行うことができます。
ステップ3:差別化ポイントを明確にする
数ある競合他社の中から自社が選ばれるためには、他の会社にはない強みや特徴をアピールする必要があります。自社の技術力やノウハウ、実績などを分析し、競合他社との差別化ポイントを明確にしましょう。
ステップ4:具体的な施工手順を記述する
施工計画書の中心となるのが、具体的な施工手順の記述です。どのような工程で工事を進めるのか、各工程における具体的な作業内容、使用する資材や機材、人員配置などを詳細に記載しましょう。図表や写真などを用いることで、よりわかりやすく伝えることができます。
ステップ5:工程管理・品質管理・安全管理の計画を具体的に示す
施工計画書には、工程管理、品質管理、安全管理に関する具体的な計画を盛り込む必要があります。各項目において、どのような方法で管理を行うのか、目標値や基準値などを明確に示すことが重要です。具体的には、工程管理計画書、品質管理計画書、安全管理計画書などを別途作成し、添付資料とするケースが多いです。
ステップ6:コスト削減・工期短縮の提案を盛り込む
発注者にとって、コスト削減や工期短縮は重要な関心事です。効率的な施工方法や最新の技術を採用することで、コスト削減や工期短縮を実現できることを具体的な数値とともにアピールしましょう。また、リスク管理計画を立て、潜在的な問題発生を未然に防ぐことも重要です。問題発生時の対応策を事前に検討しておくことで、工期の遅延や追加費用の発生リスクを抑制できます。
ステップ7:読みやすく分かりやすい構成・表現を心がける
どれだけ内容の濃い施工計画書を作成しても、読みづらく分かりにくいものでは、審査員の印象が悪くなってしまいます。読み手が理解しやすいように、論理的な構成と分かりやすい表現を心がけましょう。また、誤字脱字やレイアウトの崩れなどもチェックし、丁寧に作成することが重要です。
まとめ:質の高い施工計画書で受注率アップを目指そう!
総合評価方式の入札では、施工計画書が企業の技術力や信頼性を左右する重要な要素となります。本記事で紹介したポイントを踏まえ、質の高い施工計画書を作成することで、受注率アップを目指しましょう。
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