【施工管理担当者必見】ライナープレート施工計画の成功に導く５つのポイント

近年、老朽化したインフラ構造物の補修対策として、ライナープレートを用いた補修工事が注目を集めています。ライナープレートは、既存構造物に新たなプレートを施工することで、構造物の延命化を図る工法です。従来の工法と比較して、施工期間の短縮やコスト削減が可能になるなど、多くのメリットがある一方で、施工計画の段階で入念な準備と検討が必要となる側面もあります。そこで今回は、ライナープレート施工計画を成功に導くための５つの重要ポイントについて解説していきます。

１．現地調査の徹底：施工環境の把握が成否を分ける

ライナープレート施工計画の第一歩は、綿密な現地調査です。現地調査では、以下の項目を重点的に確認します。

• 施工箇所の寸法測定：ライナープレートのサイズ決定や施工方法の検討に不可欠です。
• 既存構造物の劣化状況の確認：ひび割れや鉄筋の腐食状況などを詳細に調査します。劣化状況によっては、ライナープレートの補強方法を検討する必要があるためです。
• 周辺環境の確認：道路状況や近隣住民への配慮事項など、施工に影響を与える可能性のある要素を洗い出します。

現地調査の結果を基に、施工計画に最適なライナープレートの種類やサイズ、施工方法を選定していきます。

２．施工方法の選定：工期、コスト、品質のバランスを考慮

ライナープレートの施工方法は、大きく分けて「湿式工法」と「乾式工法」の二つがあります。

• 湿式工法：コンクリートを充填してライナープレートを固定する方法です。強度が高く、耐久性に優れている点がメリットですが、乾燥に時間がかかるため、工期が長くなる傾向があります。道路など、交通規制が必要な箇所の施工には不向きです。
• 乾式工法：アンカーボルトなどを用いてライナープレートを固定する方法です。コンクリートを使用しないため、乾燥が不要で、工期の短縮が図れます。ただし、湿式工法と比較して、強度が劣る場合があります。

それぞれの工法にはメリット・デメリットがあるため、現地調査の結果や工期、コスト、品質などを総合的に判断し、最適な工法を選定する必要があります。

３．工程計画の作成：関係者との連携を強化

ライナープレート施工計画では、工程計画の作成が非常に重要です。工程計画は、以下の手順で作成します。

1. 作業の洗い出し：現地調査の結果を踏まえ、必要な作業を全て洗い出します。
2. 作業の順序付け：洗い出した作業を、施工順序に従って並べ替えます。作業間の依存関係を考慮することが重要です。
3. 作業時間の算出：各作業にかかる時間を算出します。過去の施工実績や作業員のスキルレベルなどを考慮して、現実的な時間を見積もることが重要です。
4. 工程表の作成：以上の情報を基に、工程表を作成します。工程表は、関係者間で共有し、進捗管理に活用します。

工程計画の作成段階では、関係者とのコミュニケーションを密にすることが重要です。

４．安全対策の徹底：リスクアセスメントの実施

建設工事において、安全対策は最重要課題です。ライナープレート施工においても、以下の様な安全対策を講じる必要があります。

• 足場組立時の墜落防止対策：安全帯の着用、足場からの転落防止ネットの設置など、墜落・転落事故を防ぐための対策を徹底します。
• 重量物の取扱い時の安全対策：クレーンなどを使用する場合は、作業半径への立ち入り禁止措置、合図者の配置など、重量物による事故を防ぐための対策を徹底します。
• 第三者災害の防止対策：工事車両の出入りが多い場合は、交通誘導員を配置するなど、第三者災害の防止対策を徹底します。

安全対策を検討する際は、リスクアセスメントを実施し、潜在的な危険を特定し、対策を講じることが重要です。

５．品質管理計画の策定：施工記録の保管

ライナープレート施工においても、高品質な施工を行うことは当然求められます。施工品質を確保するためには、以下の様な品質管理計画を策定することが重要です。

• 材料の品質管理：ライナープレートやボルトなどの材料が、設計図書通りであるか、品質に問題がないかを事前に確認します。
• 施工中の品質管理：施工中も、設計図書通りに施工されているか、品質基準を満たしているかを定期的に検査します。検査には、目視検査、寸法測定、非破壊検査などがあります。

施工記録は、後のメンテナンスやトラブル発生時に役立つため、写真などを含めて、適切に保管することが重要です。

まとめ

今回は、ライナープレート施工計画を成功に導くための５つのポイントについて解説しました。ライナープレート施工は、既存構造物を有効活用できる優れた工法ですが、施工計画の段階で、適切な準備と検討を行うことが重要です。今回ご紹介した内容を参考に、安全かつ高品質なライナープレート施工を実現してください。