【建設業の資金繰り改善】ファクタリング利用のメリット・デメリットを税理士が解説

「ファクタリングって最近よく聞くけど、実際どうなの？」

資金繰りに悩む建設業の経営者様にとって、ファクタリングは魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。しかし、その仕組みやメリット・デメリット、注意点などを正しく理解しないまま利用してしまうと、後々思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性も否定できません。

そこで今回は、建設業におけるファクタリングの活用について、税理士の視点から詳しく解説していきます。ファクタリングの利用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

建設業における資金繰りの現状

建設業は、他の業界と比べて、資金繰りが厳しい傾向にあります。なぜなら、建設工事は、多額の費用と長い期間を要するプロジェクトが多く、資金回収が遅れがちになるからです。特に、近年では、以下の様な要因により、建設業を取り巻く経営環境はますます厳しさを増しています。

• 人材不足による人件費の高騰
• 資材価格の高騰
• 受注競争の激化

このような状況下で、資金繰りを円滑に進めるためには、ファクタリングをはじめとする様々な資金調達方法を検討する必要があります。

ファクタリングとは？

ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権を、ファクタリング会社に売却することによって、資金を調達する方法です。銀行融資などのように、担保や保証人を必要としないため、審査が比較的スピーディーで、資金調達がしやすいというメリットがあります。資金繰りの改善や、設備投資、事業拡大など、様々な用途に利用されています。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングの仕組みを簡単に説明すると、以下のようになります。

1. 建設会社は、ファクタリング会社に売掛債権を売却します。
2. ファクタリング会社は、売掛債権の審査を行い、買取金額を決定します。
3. 建設会社は、ファクタリング会社から買取金額を受け取ります。（通常は、2営業日以内など、短期間で入金されます）
4. ファクタリング会社は、取引先に請求を行い、回収を行います。

建設業がファクタリングを利用するメリット

建設業がファクタリングを利用するメリットとしては、主に以下の３つが挙げられます。

1. 資金調達までのスピードが速い

ファクタリングは、銀行融資などと比較して、審査がスピーディーで、最短即日で資金調達が可能となるケースもあります。そのため、急な資金需要にも対応できるというメリットがあります。

2. 担保や保証人が不要

ファクタリングは、売掛債権を担保とするため、原則として、担保や保証人を必要としません。そのため、担保力がない中小企業でも、比較的容易に利用することができます。

3. 借入金にならない

ファクタリングは、あくまで売掛債権の売買であり、借入金には該当しません。そのため、会社の財務状況が悪化する心配がなく、銀行からの借入枠にも影響を与えません。

建設業がファクタリングを利用するデメリット

一方で、ファクタリングには、以下のようなデメリットも存在します。

1. 手数料が発生する

ファクタリングを利用する際には、ファクタリング会社に対して、手数料を支払う必要があります。手数料は、ファクタリング会社や契約内容によって異なりますが、一般的には、売掛債権額の2〜10%程度が相場となっています。

2. 売掛先にファクタリング会社が介入する

ファクタリング会社は、売掛債権を回収するために、取引先にファクタリングの利用を通知する場合があります。取引先によっては、ファクタリングの利用を快く思わない場合もあるため、注意が必要です。

ファクタリングを利用する際の注意点

ファクタリングを安全に利用するためには、以下の点に注意する必要があります。

1. 信頼できるファクタリング会社を選ぶ

ファクタリング会社の中には、悪質な業者も存在します。そのため、ファクタリング会社を利用する際には、事前にしっかりと情報収集を行い、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。具体的には、金融庁に登録されている業者を選ぶ、手数料やサービス内容を比較する、口コミや評判を調べる、などが挙げられます。

2. 契約内容をしっかり確認する

ファクタリングを利用する際には、手数料や支払い条件などの契約内容をしっかり確認することが重要です。特に、手数料については、業者によって大きく異なるため、注意が必要です。また、契約書に不明点があれば、必ず事前に質問するようにしましょう。

3. 税理士に相談する

ファクタリングは、税務上の扱いも複雑です。そのため、ファクタリングの利用を検討する際には、事前に税理士に相談することをおすすめします。税理士に相談することで、税務上のリスクを回避することができます。

まとめ

ファクタリングは、資金繰りに悩む建設会社にとって、非常に有効な資金調達方法の一つです。しかし、メリットだけでなく、デメリットや注意点も存在します。ファクタリングの利用を検討されている方は、本記事を参考にしていただき、メリット・デメリットを理解した上で、慎重に判断するようにしましょう。

また、ファクタリングを利用する際には、税理士に相談することをおすすめします。税理士は、ファクタリングに関する専門知識を持っているため、最適なアドバイスを受けることができます。