【建設業の義務】施工計画書提出でリスク回避!作成・提出のポイントを徹底解説

【建設業の義務】施工計画書提出でリスク回避!作成・提出のポイントを徹底解説

「あの工事、予定通りに進まない…」「事故のリスクが高まっている…」建設現場では、こんなトラブルが後を絶ちません。工程の遅延や予期せぬ事故は、企業の信頼を失墜させ、大きな損失を招く可能性も孕んでいます。

このような事態を避けるために重要なのが、「施工計画書」です。施工計画書は、単なる書類ではなく、安全かつスムーズな工事を実現するための羅針盤とも言えるでしょう。

本記事では、建設業者様に向けて、施工計画書の提出義務の有無から、作成・提出のポイントまで詳しく解説していきます。

1. 施工計画書の提出義務とは?

施工計画書は、建設工事における工程、安全対策、品質管理などを具体的にまとめた書類です。法律で提出が義務付けられているケースと、努力義務とされているケースがあります。

1-1. 提出が義務付けられているケース

以下のいずれかに該当する工事の場合、施工計画書の作成・提出が法律で義務付けられています。

  • 特定建設工事
  • 特定元方事業者による建築物の解体工事

特定建設工事とは?

特定建設工事とは、以下のいずれかに該当する工事を指します。

  • 工事期間が30日以上かつ、次のいずれかに該当する工事
    • 解体工事 – 建築物の解体工事で、延べ面積が80㎡を超えるもの
    • 新築・増築工事 – 建築物その他の工作物の新築、増築又は改築の工事で、その延べ面積の合計が500㎡を超えるもの
    • 大規模修繕工事 – 建築物その他の工作物の修繕の工事で、その延べ面積の合計が1,000㎡を超えるもの
  • 足場の組立て、解体又は変更の作業に係る部分で、高さが10m以上のもの
  • 掘削の深さが2mを超えるもの

※これらの基準は、あくまでも一例です。詳しくは、厚生労働省のホームページなどを参照してください。

特定元方事業者による建築物の解体工事とは?

特定元方事業者とは、建設業を営んでいないにもかかわらず、建築物等の解体工事を行う事業者のことを指します。

この場合、解体する建築物の規模に関わらず、施工計画書の作成・提出が義務付けられます。

1-2. 努力義務とされているケース

上記に該当しない小規模な工事の場合でも、関係者間で合意があれば施工計画書を作成・提出することが望ましいとされています。

実際に、書面による合意がなくても、口頭で施工計画の内容を伝えているケースも多いのではないでしょうか。しかし、言った言わないのトラブルを避けるため、また、より安全で円滑な工事を行うためにも、書面での作成・提出を強くおすすめします。

2. 施工計画書を作成するメリット

施工計画書を作成することで、次のようなメリットがあります。

  • 事故やトラブルを未然に防ぐことができる
  • 工程の遅延を防ぎ、スムーズな工事進行が可能になる
  • 関係者間での情報共有が徹底され、認識の齟齬を防ぐことができる
  • 品質の確保、周辺環境への配慮など、工事に対する意識向上に繋がる
  • 企業としての信頼度が向上する

施工計画書は、単なる書類作成の手間ではなく、安全で効率的な工事、ひいては企業の信頼獲得に繋がる重要なツールと言えるでしょう。

3. 施工計画書に記載すべき内容

施工計画書には、具体的にどのような内容を記載すれば良いのでしょうか?主な項目を以下にまとめました。

  • 工事概要
    • 工事名
    • 工事場所
    • 発注者名
    • 施工業者名
    • 工事期間
  • 工程計画
    • 着工から竣工までの工程表
    • 各工程における作業内容、担当者
    • 資機材の搬入・搬出計画
  • 安全対策
    • 作業員に対する安全教育の実施計画
    • 安全設備の設置計画
    • 事故発生時の緊急連絡体制
    • リスクアセスメントの結果
  • 品質管理
    • 品質管理体制
    • 検査基準、検査方法
    • 不適合発生時の対応
  • 環境保全対策
    • 騒音、振動、粉塵などの発生抑制対策
    • 廃棄物の処理計画
  • 近隣対策
    • 近隣住民への工事説明会の実施計画
    • 苦情対応窓口の設置

これらの項目はあくまで基本的なものであり、工事の内容や規模によって、記載すべき内容は異なります。

4. 施工計画書の提出先・提出期限

施工計画書は、原則として工事着工前に、発注者または元方事業者に対して提出します。提出期限は、発注者または元方事業者との契約内容により異なりますので、事前に確認しておきましょう。

5. まとめ

施工計画書は、安全で円滑な工事を行うための羅針盤となるだけでなく、企業の信頼を築く上でも非常に重要なものです。

本記事を参考にして、自社の工事内容に最適な施工計画書を作成し、安全で高品質な施工を実現しましょう。

関連記事

  1. 資金繰り改善の鍵!建設業におけるファクタリング併用の効果と注意点

  2. 施工計画書の経験記述で差をつける!受注率UPに繋げる秘訣とは?

  3. 建設業の資金繰り改善に役立つファクタリングと補助金の活用法

  4. 建設業の資金繰り改善!ファクタリングは何業に向いているのか徹底解説

  5. 【建設業経営者向け】資金繰りの救世主?ファクタリングを徹底解説!

  6. 【建設業経営者必見】資金繰りの悩みを解決!ファクタリングWeb完結のススメ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。


Warning: Undefined variable $user_ID in /home/xs973363/kensetsuplus.com/public_html/wp-content/themes/gensen_tcd050/comments.php on line 171
人気記事ランキング