建設業の資金繰り改善!ファクタリングと割引の関係をわかりやすく解説
「ファクタリング」や「割引」という言葉を耳にしたことはありますか?建設業は、工事完成から入金までの期間が長く、資金繰りが大変な業界です。そこで今回は、そんな建設業の経営者や経理担当者の方に向けて、ファクタリングと割引の関係性について詳しく解説していきます。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、簡単に言うと「売掛金をファクタリング会社に売却し、すぐに現金化するサービス」のことです。
通常、建設工事の完成後、施主から入金されるまでには1ヶ月~数ヶ月かかるのが一般的です。しかし、ファクタリングを利用すれば、この期間を待たずに、すぐに現金化することが可能になります。
例えば、1000万円の工事を行い、完成後に施主から1000万円の入金があるとします。しかし、入金は2ヶ月後です。この時、すぐに資金が必要な場合は、ファクタリング会社に売掛債権を売却します。ファクタリング会社は、手数料を差し引いた金額(例えば980万円)を支払い、2ヶ月後に施主から1000万円を回収します。これがファクタリングの基本的な仕組みです。
ファクタリングにおける「割引」とは?
ファクタリングを利用する際に、必ず発生するのが「割引」です。この割引は、ファクタリング会社がサービスを提供する手数料であり、売掛金の金額から差し引かれます。
割引額は、ファクタリング会社や契約内容によって異なりますが、一般的には売掛金の額面に対して、年率で数%程度と言われています。例えば、1000万円の売掛金を2ヶ月間でファクタリングする場合、年率3%の割引であれば、割引額は約5万円となります。
割引額は、ファクタリング会社の審査によって変動します。審査では、主に以下の点が評価されます。
- 貴社の信用力
- 売掛先の信用力
- 売掛金の金額
- 売掛金の回収までの期間
これらの要素によって、ファクタリング会社はリスクを評価し、割引額を決定します。信用力が高い、売掛先の規模が大きい、回収期間が短いなどの場合は、割引額は低くなる傾向があります。
ファクタリングのメリット・デメリット
ファクタリングは、資金繰りの改善に役立つ便利なサービスですが、メリットだけでなく、デメリットも存在します。利用を検討する際には、両方を理解しておくことが重要です。
メリット
- 資金調達スピードが速い
ファクタリングは、銀行融資と比べて審査が早く、最短で即日~数日で資金調達が可能となります。急な資金繰り悪化にも対応できるため、資金繰りの安定化に貢献します。 - 売掛金回収のリスクを回避できる
ファクタリング会社に売掛債権を売却することで、万が一、施主が倒産した場合でも、回収不能リスクを負う必要がなくなります。 - 財務体質の改善
ファクタリングは、借入金ではないため、財務諸表上は「売上」として計上されます。そのため、自己資本比率が向上し、財務体質の改善効果も期待できます。
デメリット
- 手数料(割引料)が発生する
ファクタリングを利用する際には、手数料として割引が発生します。そのため、銀行融資と比較して、資金調達コストが高くなる場合があります。 - 売掛先に知られずに利用できないケースもある
ファクタリング会社によっては、売掛先にファクタリング利用の事実を通知する「2社間ファクタリング」を採用している場合があります。売掛先に知られずに利用したい場合は、「3社間ファクタリング」に対応しているファクタリング会社を選ぶ必要があります。
まとめ
ファクタリングは、売掛金を現金化することで、資金繰りの改善を図ることができるサービスです。割引手数料が発生するものの、スピード感を持って資金調達ができるため、建設業にとって非常に有効な資金調達手段と言えるでしょう。
ファクタリングの利用を検討する際は、メリット・デメリットを比較し、自社にとって最適な選択かどうかを慎重に判断することが重要です。
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