建設業の資金繰りを支える「ファクタリング」とそのリスクとは？

「着工前から材料費や人件費がかさんで資金繰りが厳しい」「銀行融資は審査が厳しそうでハードルが高い…」

資金繰りの悩みは、多くの建設業経営者を悩ませるものです。特に、中小規模の建設業者にとって、資金繰りの安定は事業を継続していく上で死活問題と言えるでしょう。

そんな状況を打破するために、近年注目を集めている資金調達方法の一つに「ファクタリング」があります。ファクタリングは、銀行融資のように審査が厳しくなく、比較的スピーディーに資金調達できるというメリットがあります。しかし、その一方で、「連帯保証人」という言葉を耳にして、不安を感じている方もいるのではないでしょうか？

そこで今回は、建設業にとって身近な資金調達方法である「ファクタリング」について、その仕組みやメリット・デメリット、そして気になる連帯保証人のリスクまで詳しく解説していきます。資金繰りの改善策を探している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ファクタリングとは？

ファクタリングとは、簡単に言うと「売掛債権をファクタリング会社に売却すること」です。通常、建設工事は完了後に請求書を発行し、数ヶ月後に支払いを受けるという流れが一般的です。しかし、ファクタリングを利用すれば、工事完了を待たずに、ファクタリング会社に請求書を買い取ってもらうことで、すぐに現金化することができます。

例えば、100万円の工事を行い、2ヶ月後に支払われることになっているとします。この場合、ファクタリング会社に依頼し、手数料を差し引いた95万円で買い取ってもらうことで、すぐに95万円の資金を調達することができます。その後、2ヶ月後に発注元企業がファクタリング会社に100万円を支払うことで取引は完了となります。

建設業におけるファクタリングのメリット

ファクタリングは、建設業にとって多くのメリットをもたらします。主なメリットは以下の通りです。

1. 審査が比較的緩やかで、スピーディーな資金調達が可能

ファクタリングは、銀行融資とは異なり、審査の際に重視されるのは、発注元企業の信用力です。そのため、設立間もない企業や、財務状況が安定しない企業でも、比較的容易に資金調達できる可能性があります。また、手続きもスピーディーなため、急な資金需要にも対応できます。

2. 売掛金回収のリスクを回避できる

ファクタリングを利用することで、売掛金の回収リスクをファクタリング会社に転嫁することができます。万が一、発注元企業が倒産した場合でも、ファクタリング会社に請求すれば、資金を回収することができます。

3. 資金繰りの安定化につながる

ファクタリングを利用することで、工事完了を待たずに資金を回収できるため、資金繰りの安定化につながります。また、資金繰りに余裕が生まれることで、新たな受注や設備投資など、事業拡大にも積極的に取り組むことができます。

建設業におけるファクタリングのデメリット

一方で、ファクタリングには以下のようなデメリットも存在します。

1. 手数料が発生する

ファクタリングを利用する際には、ファクタリング会社に手数料を支払う必要があります。手数料は、売掛債権の金額や期間によって異なりますが、一般的には数%〜20%程度です。

2. 連帯保証人を求められる場合がある

ファクタリング会社によっては、連帯保証人を要求される場合があります。連帯保証人とは、万が一、発注元企業が支払いを延滞したり、倒産したりした場合に、債務を代わりに返済する義務を負う人のことです。

連帯保証人のリスクと注意点

ファクタリングにおける連帯保証人は、非常に大きなリスクを負うことになります。発注元企業が倒産した場合、連帯保証人が全額を返済する義務が生じる可能性もあるため、安易に引き受けるべきではありません。

ファクタリング会社から連帯保証人を求められた場合は、以下の点に注意しましょう。

• 契約内容をしっかりと確認する
• リスクを十分に理解した上で判断する
• 信頼できるファクタリング会社を選ぶ

まとめ

今回は、建設業における資金調達方法の一つである「ファクタリング」について解説しました。ファクタリングは、資金繰りの改善や事業拡大に役立つ便利なサービスですが、利用する際にはメリット・デメリット、そして連帯保証人のリスクを十分に理解しておくことが重要です。

ファクタリングの利用を検討する際は、複数のファクタリング会社を比較し、自社の状況に最適なサービスを選ぶようにしましょう。