建設業の利益を守る！見積もり諸経費の徹底解説と計上ポイント

「建設工事の見積もりで、いつも利益がギリギリになってしまう…」

そんな悩みを抱えていませんか？実は、その原因は「諸経費」の見積もりに潜んでいるかもしれません。今回は、建設業における見積もり諸経費について、その重要性から具体的な項目、そして利益確保のための計上ポイントまで、わかりやすく解説していきます。

諸経費とは？ なぜ重要なの？

建設工事の見積もりでは、材料費や労務費といった「直接工事費」だけでなく、現場管理費や運搬費などの「間接工事費」も計上する必要があります。この間接工事費に含まれる費用のことを、建設業では「諸経費」と呼びます。

諸経費は、一見すると小さな金額に見えるかもしれません。しかし、工事全体に占める割合は決して小さくなく、利益に大きく影響する重要な要素なのです。諸経費を適切に見積もり、計上しなければ、利益を圧迫し、最悪の場合、赤字になってしまう可能性も。会社の経営を安定させるためにも、諸経費への理解を深め、適切な見積もりを行うことが不可欠です。

見積もり諸経費の主な項目

諸経費には、実に様々な費用項目が含まれます。ここでは、代表的な項目とその内容、計算方法の一例をご紹介します。

1. 現場管理費

工事現場の管理に必要な費用です。現場監督の給与、事務所の設置・維持費、電話代、コピー代などが含まれます。一般的には、直接工事費に一定の率をかけて算出します。

• 計算例：直接工事費 × 10%

2. 運搬費

建設資材や機材などを現場まで運搬する費用です。トラックのレンタル料、燃料費、高速道路料金などが含まれます。運搬距離や資材の量、使用する車両によって変動するため、個別に計算することが一般的です。

3. 仮設費

工事期間中のみ必要な仮設物の設置・撤去費用です。足場、仮囲い、仮設トイレ、仮設電気が挙げられます。工事の内容や規模によって大きく変わるため、個別に積算することが重要です。

4. 水道光熱費

工事現場で使用する水道、電気、ガスの費用です。使用量に応じて個別に計算します。

5. 安全費

工事現場の安全確保に必要な費用です。安全柵の設置、ヘルメットなどの安全用品購入費、安全教育の実施費用などが含まれます。工事内容や規模に応じて個別に積算します。

6. 清掃費

工事現場の清掃や廃棄物処理にかかる費用です。工事の規模や廃棄物の量によって変動します。

7. その他

上記以外にも、諸経費には様々な費用項目が含まれます。例えば、地盤調査費用、測量費用、設計変更費用などです。工事の内容や状況に応じて、必要な費用を計上していく必要があります。

利益を確保するための計上ポイント

諸経費を適切に計上することは、適正な利益を確保するために非常に重要です。ここでは、計上のポイントを３つご紹介します。

1. 過去のデータ分析

過去の工事で見積もりと実際の費用を比較し、諸経費の傾向を分析しましょう。どの項目で費用が超過しやすいか、逆に過剰に見積もっていたかを把握することで、より精度の高い見積もりを作成できます。

2. 工事の個別性

工事の規模、場所、期間、内容によって、必要な諸経費は大きく異なります。例えば、都市部での工事は、郊外に比べて交通費や仮設費がかかりやすい傾向があります。それぞれの工事の個別性を考慮し、必要な費用を積み上げていくことが重要です。

3. 将来のリスク予測

見積もり時には、将来発生する可能性のあるリスクも考慮する必要があります。例えば、資材価格の高騰や人手不足など、予期せぬ事態が発生した場合でも、対応できるよう、ある程度の余裕を持った見積もりを作成することが重要です。

まとめ

建設工事の見積もりにおいて、諸経費は利益に直結する重要な要素です。適切な計上を行うためには、諸経費の項目と内容を理解し、過去のデータ分析や工事の個別性、将来のリスク予測などを考慮することが大切です。今回の内容を参考に、自社の状況に合わせた見積もり体制を構築し、利益確保を目指しましょう。