【レベル3完全網羅】アスベスト除去工事の施工計画書作成ガイド|中小建設業向け
近年、建設現場におけるアスベスト対策の重要性が高まっています。特に、建築物の解体や改修工事においては、アスベストレベル3の除去工事が必要となるケースが増加しており、施工計画書の作成は欠かせないプロセスとなっています。
しかし、中小規模の建設業者様にとって、アスベストレベル3の施工計画書作成は、専門知識や経験が必要となるため、ハードルが高いと感じられるかもしれません。本記事では、アスベストレベル3の施工計画書作成にあたり、押さえておくべきポイントをわかりやすく解説いたします。
アスベストレベルとは?レベル3の概要をわかりやすく解説
アスベストレベルとは、建物の解体や改修工事における、アスベスト粉じんの飛散の危険性に応じて、3つのレベルに分類したものです。レベル1は比較的、飛散の危険性が低く、レベル3は最も飛散の危険性が高いとされています。
レベル3に分類される主な作業は、吹き付けアスベストの除去や、アスベスト含有保温材、耐火被覆材の除去などです。これらの作業は、大量のアスベスト粉じんが発生する可能性が高いため、特に厳重な対策が必要となります。レベル3の工事では、作業エリアを完全に密閉し、負圧状態を保つこと、集じん・浄化装置を備えた設備を用いること、作業者は防護服、呼吸用保護具を必ず着用することなどが義務付けられています。
アスベストレベル3の施工計画書、作成のポイントとは?
アスベストレベル3の施工計画書は、安全かつ適切に工事を行うための羅針盤となる重要な書類です。そのため、関係者間で情報を共有し、作業内容を明確にする必要があります。以下に、作成のポイントを具体的に解説します。
1. 作業内容の詳細な記述
施工計画書には、作業内容を具体的に記述することが重要です。例えば、「アスベスト含有吹き付け材の除去」といった場合でも、対象となる建築物の部位、使用されている材料、工法などを詳細に記載する必要があります。図面や写真などを活用することで、よりわかりやすく伝えることができます。また、工程ごとに必要な作業時間や人員、使用する機械・器具なども明確にしておくことが重要です。
2. 関係法令・基準の遵守
アスベストレベル3の工事は、労働安全衛生法、大気汚染防止法、廃棄物処理法など、多くの法令が関係しています。施工計画書には、これらの関連法令を遵守することを明記し、具体的な遵守事項も記載する必要があります。例えば、作業環境測定の実施、作業記録の保存、アスベスト廃棄物の適正処理など、法令で定められた事項を網羅的に記載することが重要です。
3. 現場の状況に合わせたリスクアセスメント
アスベストレベル3の工事では、現場の状況に応じて様々なリスクが考えられます。例えば、狭い場所での作業、高所作業、他の作業との同時進行など、現場特有のリスクを洗い出し、それらに対する具体的な対策を盛り込むことが重要です。リスクアセスメントの実施にあたっては、過去の事故事例なども参考にするとよいでしょう。
4. 周囲環境への配慮
アスベストレベル3の工事は、周辺環境にも影響を与える可能性があることを認識する必要があります。施工計画書には、粉じん飛散防止対策、騒音・振動対策など、周辺環境への配慮に関する事項を記載することが求められます。例えば、作業時間帯の調整、防音シートの設置、周辺住民への周知など、具体的な対策を検討しましょう。
5. 緊急時の対応
万が一、アスベストの飛散や作業員の健康被害が発生した場合に備え、緊急時の対応手順を定めておくことが重要です。連絡体制、避難経路、医療機関との連携など、具体的な手順を明確にするとともに、関係者間で共有しておく必要があります。定期的な訓練なども実施することで、緊急時にも適切に対応できる体制を整えましょう。
まとめ:アスベストレベル3の施工計画書作成は安全管理の要
アスベストレベル3の工事は、施工計画書の作成が安全かつ適切な工事の実施に不可欠です。本記事で解説したポイントを参考に、関係者間で連携し、安全管理を徹底した施工計画書を作成してください。
なお、アスベストレベル3の工事は専門性が高く、施工計画書の作成も容易ではありません。専門業者に相談するなど、適切なサポート体制を整えることも重要です。
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