【建設業向け】9月は価格交渉 促進月間!資材高騰・人件費増に負けないための完全交渉ガイド

建設業界を取り巻く環境は、かつてないほど厳しさを増しています。資材価格は高騰を続け、燃料費も上昇の一途をたどっています。それに加え、慢性的な人手不足による人件費の上昇、そして2024年4月から適用された働き方改革関連法による時間外労働の上限規制…。まるで、静かでありながらも確実に船体を蝕む、見えざる潮流に翻弄されているかのようです。

このような状況下で、特に中小規模の建設業者の皆様におかれましては、利益の確保がますます困難になっているのではないでしょうか。「良い仕事をしていても、利益が残らない」「コスト増を価格に転嫁したくても、発注者との関係を考えると言い出せない」…そんな悲痛な叫びが聞こえてくるようです。

しかし、この逆風にただ耐え忍ぶだけが道ではありません。国もこの状況を看過しているわけではなく、建設業界の健全な発展のために、ある「追い風」を吹かせています。それが、毎年9月に実施される「価格交渉 促進月間」です。

本記事では、この「価格交渉 促進月間」を最大限に活用し、厳しい経営環境を乗り越えるための具体的な戦略と実践的な交渉術について、8000文字を超えるボリュームで徹底的に解説していきます。これは単なる情報提供ではありません。皆様が自社の価値を正当に評価され、持続可能な経営を実現するための一助となる、いわば「航海図」です。さあ、共にこの荒波を乗り越えるための航海へと出発しましょう。

そもそも「価格交渉 促進月間」とは何か?

「価格交渉 促進月間」という言葉を耳にしたことはあっても、その具体的な内容まで詳しくご存知の方は少ないかもしれません。まずは、この制度の基本をしっかりと押さえることから始めましょう。敵を知り、己を知れば、百戦殆うからず。交渉においても、その土台となる制度の理解は不可欠です。


国が後押しする、適正な取引のためのキャンペーン

「価格交渉 促進月間」とは、毎年9月を集中期間として、政府(主に経済産業省・中小企業庁、国土交通省など)が主導し、受注側の中小企業が発注側の大企業に対して、コスト上昇分を適切に価格転嫁できるよう交渉を促すための取り組みです。これは、特定の業界に限った話ではなく、日本経済全体の健全なサプライチェーンを維持することを目的としています。

特に建設業界においては、重層的な下請構造の中で、末端の企業ほどコスト増のしわ寄せを受けやすいという構造的な問題を抱えています。この月間は、そうした弱い立場に置かれがちな下請事業者が、勇気を持って交渉のテーブルに着くための「大義名分」と「後ろ盾」を与えてくれる、非常に重要な機会なのです。

「価格交渉 促進月間」の3つの主要な目的

  • コスト上昇分の適切な価格転嫁:原材料費、エネルギー価格、労務費などの上昇分を下請代金に公正に反映させること。
  • 取引適正化の推進:「買いたたき」や一方的な減額といった不公正な取引慣行を是正し、下請事業者の利益を守ること。
  • 賃上げの原資確保:適正な利益を確保することで、従業員の賃金を引き上げるための原資を生み出し、経済の好循環を創出すること。

具体的にどのようなことが行われるのか?

この月間中、政府は様々な施策を講じて価格交渉を後押しします。これを知っているか知らないかで、交渉の進めやすさは大きく変わってきます。

取り組み内容 具体的なアクション
周知・広報活動 大臣談話の発表、ウェブサイトやSNSでの情報発信、ポスターやリーフレットの配布などを通じて、価格交渉の重要性を社会全体に訴えかけます。
フォローアップ調査 全国の下請事業者約30万社を対象に、価格交渉や価格転嫁の状況についてアンケート調査を実施。結果を公表し、状況が芳しくない親事業者には指導・助言が入ることもあります。
相談窓口の強化 「下請かけこみ寺」や「よろず支援拠点」などの相談窓口の体制を強化し、価格交渉に関する具体的なアドバイスや情報提供を行います。
下請Gメンの集中活動 中小企業の取引上の悩みを直接ヒアリングする「下請Gメン」が、この期間に活動を活発化させ、現場の実態把握と問題解決に努めます。

このように、「価格交渉 促進月間」は単なるスローガンではありません。具体的な調査や指導といった実効性を伴う、国を挙げた一大キャンペーンなのです。この「追い風」を、私たちは最大限に利用すべきです。

なぜ今、建設業で価格交渉が急務なのか?

「昔からコストは変動するもの。今さら騒ぐことでもない」そう思われるかもしれません。しかし、現在の建設業界が直面している課題は、過去のそれとは質も規模も異なります。まさに、複数の嵐が同時に押し寄せているような状況であり、価格交渉という名の「防波堤」を築かなければ、会社の存続そのものが危うくなる可能性があるのです。


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異常なまでの資材価格高騰

ウッドショックに始まり、アイアンショック、ロシアのウクライナ侵攻、円安などが複合的に絡み合い、木材、鋼材、セメント、石油製品など、あらゆる建設資材の価格がかつてないレベルで高騰しています。これは一過性のものではなく、高止まりする可能性が高いと見られています。

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深刻化する人手不足と労務単価の上昇

建設業界は、若年層の入職者減少と高齢化が同時に進行し、深刻な人手不足に陥っています。優秀な人材を確保・維持するためには、賃金水準の向上が不可欠であり、公共工事設計労務単価も年々上昇傾向にあります。このコストを吸収するのは、もはや企業努力だけでは限界です。

働き方改革関連法への対応(2024年問題)

2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、長時間労働に依存した従来の工期設定や工程管理が通用しなくなりました。工期の長期化や人員増強が必要となり、結果として一人当たりの生産コストは上昇します。これもまた、価格に転嫁すべき正当な理由です。

これらの要因は、どれか一つでも経営を揺るがすほどのインパクトを持っています。それらが同時に、しかも長期的に押し寄せているのが今の状況です。従来の「元請けに言われた金額でやる」「多少の赤字は我慢する」といった考え方では、会社の体力を削り、やがては倒産という最悪の事態を招きかねません。だからこそ、今、勇気を持って「価格交渉」に臨むことが、自社を守り、従業員の生活を守り、ひいては建設業界の未来を守るために不可欠なのです。

価格交渉を成功に導くための3ステップ実践ガイド

「価格交渉の重要性はわかった。しかし、具体的にどうすればいいのか…」という声が聞こえてきそうです。ご安心ください。ここからは、交渉を成功させるための具体的な手順を、3つのステップに分けて詳しく解説します。このステップ通りに進めれば、交渉の成功確率は格段に高まるはずです。

1
準備段階

2
交渉実践

3
交渉後

Step 1: 準備段階 – 交渉の成否はここで8割決まる

孫子の兵法に「算多きは勝ち、算少なきは負う」という言葉があります。交渉もまた、戦いと同じ。いかに周到な準備(算)を重ねたかが、結果を大きく左右します。感情的に「苦しいから上げてくれ」と訴えるだけでは、相手を動かすことはできません。交渉のテーブルに着く前に、以下の準備を徹底しましょう。

💡準備すべき3つの神器

  • 1客観的な根拠資料
    なぜ価格を上げてほしいのか、その理由を数字で示すための「武器」です。感情論ではなく、データに基づいた説明が相手の納得感を引き出します。
  • 2明確な交渉ゴール
    どこまで価格を上げたいのか、最低でもどこで着地させたいのか、という「目的地」を定めます。ゴールがなければ、交渉はただの漂流になってしまいます。
  • 3交渉シミュレーション
    相手からどのような反論が予想されるか、それに対してどう切り返すかを事前に想定しておく「地図」です。準備しておくことで、本番で慌てずに済みます。


【根拠資料の具体例】

資料の種類 入手先・作成方法 交渉での活用法
資材価格の推移データ 建設物価調査会「建設物価」、経済調査会「積算資料」などの業界専門誌や、仕入れ先からの見積書(過去との比較) 「〇〇という資材が、前回の契約時から〇%上昇しています」と具体的な数字で示す。
労務費の上昇データ 公共工事設計労務単価の推移(国土交通省HP)、自社の給与台帳(過去との比較)、求人広告の賃金データ 「地域の労務単価が〇%上昇しており、人材確保のために賃上げが不可欠です」と説明する。
燃料費・光熱費の変動データ 資源エネルギー庁の公表データ、自社の経費帳簿(過去の請求書との比較) 「重機の燃料代や加工場の電気代がこれだけ上がっており、経費を圧迫しています」と訴える。
自社の原価計算書 過去の同種工事の原価と、今回の見積原価を比較した資料を自社で作成。 「以前はこの価格で施工できましたが、現状のコストでは〇円の赤字が出てしまいます」と利益構造を提示する。

これらの資料をただ集めるだけでなく、グラフ化するなどして、相手が一目で理解できるように加工することも重要なポイントです。丁寧な資料は、あなたの本気度を伝えるメッセージにもなります。

Step 2: 交渉実践 – 伝えるべきことを、伝えるべき方法で

十分な準備が整ったら、いよいよ交渉の実践です。ここでの心構えは「対立」ではなく「協調」です。発注者は敵ではありません。共に良いものを作り上げるパートナーです。このパートナーシップを維持・強化するという視点を忘れずに、冷静かつ論理的に交渉を進めましょう。

【交渉の切り出し方】
いきなり「値上げしてください」と切り出すのは得策ではありません。まずはアポイントを取り、正式な話し合いの場を設けることが重要です。メールや電話でアポイントを取る際は、以下のような丁寧な表現を心がけましょう。

✉️アポイント依頼メール文例

件名:【株式会社〇〇】次回〇〇工事のお見積りに関するご相談

株式会社△△
〇〇部 〇〇様

いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。

さて、本日は、次回ご依頼予定の〇〇工事のお見積りにつきまして、ご相談させて頂きたくご連絡いたしました。

ご承知の通り、昨今の資材価格や労務費の高騰により、従来の価格を維持することが大変厳しい状況となっております。つきましては、現状をご説明の上、今後の価格についてご相談させていただくお時間を頂戴できませんでしょうか。

つきましては、来週あたりで〇〇様のご都合の良い日時をいくつかご教示いただけますと幸いです。

ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、何卒ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

【交渉の場で伝えるべきポイント】

  1. 感謝と協力の姿勢:まず、日頃の取引への感謝を伝えます。「いつもお世話になっております。〇〇様のおかげで…」といった一言で、場の空気が和らぎます。
  2. 客観的な状況説明:準備した資料を元に、コストが上昇している客観的な事実を説明します。「感情」ではなく「事実」を淡々と伝えることが重要です。
  3. 自社の経営状況への影響:そのコスト増が、自社の経営にどれだけの影響を与えているかを具体的に説明します。「このままでは品質の維持が困難になる」「従業員の雇用を守れない」など、窮状を正直に伝えます。
  4. 具体的な要望の提示:「つきましては、〇%(〇円)の価格改定をお願いできませんでしょうか」と、明確な希望額を提示します。曖昧な表現は避けましょう。
  5. 相手のメリットを匂わせる:価格改定に応じることが、結果的に発注者側のメリットにも繋がることを伝えます。「適正な価格で受注させていただくことで、より一層の品質向上と安定した施工体制の確保に努めます」といった表現が有効です。

交渉は一度で決まるとは限りません。相手にも予算や立場があります。相手の主張にも耳を傾け、お互いの落としどころを探る姿勢が、良好な関係を保ちながら交渉を妥結させる鍵となります。


Step 3: 交渉後 – 次の仕事に繋げるための締め括り

交渉がまとまったら、それで終わりではありません。合意した内容を確実に履行し、将来のトラブルを防ぐための「締め」が重要です。また、今回の交渉を次回の取引に活かすための布石を打つことも忘れてはなりません。

【合意内容の書面化】
口約束はトラブルの元です。交渉で合意した内容は、必ず書面に残しましょう。たとえ簡単な覚書でも構いません。以下の項目を盛り込み、双方で署名・捺印の上、保管しておくことが望ましいです。

  • 合意した日付
  • 対象となる工事・製品
  • 改定後の単価・金額
  • 価格改定の適用開始日
  • その他、取り決めた事項(例:今後の価格見直し協議についてなど)

【感謝の表明と関係の再構築】
交渉に応じてくれたことに対し、改めて感謝の意を伝えましょう。「この度は当社の事情をご理解いただき、誠にありがとうございました。ご期待に応えられるよう、一層精進いたします」といった言葉を伝えることで、相手も「協力して良かった」と感じ、今後の関係がより良好になります。

この3ステップを忠実に実行することで、価格交渉は単なる値上げ要求ではなく、発注者との相互理解を深め、より強固なパートナーシップを築くためのコミュニケーションの機会へと昇華させることができるのです。

交渉の「武器」を手に入れよう!公的支援とガイドラインの活用法

交渉の場で、自社の主張だけでは心許ない場合もあります。そんな時、強力な味方となってくれるのが、国が定めた法律やガイドライン、そして公的な相談窓口です。これらは、あなたの主張が正当なものであることを裏付ける「お墨付き」であり、交渉を有利に進めるための強力な武器となります。

🛡️あなたの交渉を支える3つの盾

  • 法律・ガイドライン:交渉の正当性を担保し、相手が不当な要求をしてきた際の防波堤となる。
  • 相談窓口:専門家から具体的なアドバイスを受けたり、場合によっては仲介を依頼したりできる。
  • データ・ツール:交渉に必要な客観的データを簡単に入手したり、交渉の進め方を学んだりできる。


知っておくべき法律・ガイドライン

これらの文書に一度目を通しておくだけで、「我々の要求は正当なものだ」という自信を持つことができます。交渉の際には、これらの名称を会話に織り交ぜるだけでも、相手に対する牽制効果が期待できます。

名称 発行元 主な内容とポイント
下請代金支払遅延等防止法(下請法) 公正取引委員会・中小企業庁 親事業者の義務(書面の交付、支払期日の設定等)と禁止行為(買いたたき、受領拒否等)を定めている。コスト上昇を理由とした協議に応じず、一方的に価格を据え置くことは「買いたたき」に該当する可能性がある。
労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針 公正取引委員会 労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分を転嫁する交渉に、親事業者が誠実に応じるべきことを明確に示している。交渉の場でこの指針に言及することは非常に有効。
建設業法 国土交通省 「不当に低い請負代金の禁止」(第19条の3)や、元請負人と下請負人が対等な立場で契約を結ぶべきことなどが定められている。建設業における取引の基本ルール。

一人で悩まない!頼れる相談窓口

交渉が難航した場合や、そもそもどう切り出していいか分からない場合、一人で抱え込む必要はありません。無料で相談できる公的な窓口が多数用意されています。これらを活用しない手はありません。

💡覚えておきたい主な相談窓口

  • 1下請かけこみ寺(全国中小企業振興機関協会)
    取引上のトラブルに関する相談に対応。弁護士などの専門家が無料でアドバイスしてくれ、場合によっては相手方との話し合いの仲介(あっせん)も行ってくれる。
  • 2中小企業庁 取引調査員(下請Gメン)
    全国に配置された取引調査員が、下請事業者を直接訪問してヒアリングを実施。問題のある親事業者に対しては、中小企業庁が指導・助言を行う。
  • 3各都道府県の建設業担当課
    建設業法に関する相談や、元請・下請間のトラブルに関する相談を受け付けている。地域の事情に詳しい担当者からアドバイスがもらえる。
  • 4よろず支援拠点
    国が全国に設置している経営相談所。価格交渉だけでなく、資金繰りや販路開拓など、経営全般の悩みをワンストップで相談できる。

これらの支援策は、いわばセーフティネットです。万が一の時に頼れる場所があるということを知っておくだけでも、心強く、交渉に臨む勇気が湧いてくるはずです。ぜひ、ブックマークしておくことをお勧めします。

よくある質問(FAQ) – 価格交渉の不安を解消!

ここでは、価格交渉に臨む際に多くの方が抱くであろう疑問や不安について、Q&A形式でお答えしていきます。

Q1: 交渉することで、発注者との関係が悪化して仕事がもらえなくなるのが怖いです…

A1: 最も多くの方が懸念される点だと思います。しかし、考え方を変えてみましょう。正当な理由に基づいたコスト増の価格転嫁に応じず、下請けの経営を圧迫するような発注者と、果たして長期的に健全な関係を築けるでしょうか?

今回の交渉は、貴社が今後も安定して高品質なサービスを提供し続けるために不可欠なものであることを、誠意を持って伝えましょう。Step2で解説したように、「対立」ではなく「協調」の姿勢で、Win-Winの関係を目指すことを伝えれば、真のパートナーであれば理解を示してくれるはずです。また、「価格交渉 促進月間」という国の後押しがある9月は、交渉を切り出す絶好のタイミング。「国の方針もありまして…」と切り出すことで、自社だけの都合ではないという印象を与えることができます。

Q2: どのくらいの価格アップを要求するのが妥当な範囲なのでしょうか?

A2: 一概に「〇%が妥当」という基準はありません。重要なのは、要求する金額の「根拠」を明確に示せることです。Step1で準備した資料に基づき、「資材費が〇%、労務費が〇%上昇したため、全体として〇%の価格改定をお願いします」というように、内訳を具体的に説明できることが理想です。

最初は、自社が吸収できる範囲を差し引いた、必要最低限のアップ率よりも少し高めに設定し、交渉の着地点を探るというのも一つの戦略です。ただし、あまりに現実離れした金額を提示すると、相手の不信感を招くので注意が必要です。

Q3: 交渉が全くうまくいかなかった場合は、どうすれば良いですか?

A3: まずは一度持ち帰り、再度アプローチする機会を伺いましょう。その際、なぜ交渉が不調に終わったのかを冷静に分析します。根拠資料が弱かったのか、伝え方に問題があったのか、相手の社内事情なのか、など原因を探り、次回の戦略を練ります。

それでも誠実な協議に応じてもらえず、「買いたたき」などの下請法違反が疑われるような場合は、前述した「下請かけこみ寺」や「下請Gメン」といった公的機関に相談することを強く推奨します。泣き寝入りする必要は一切ありません。

Q4: 「価格交渉 促進月間」である9月以外に交渉してはいけないのですか?

A4: もちろん、そんなことはありません。価格交渉は、コストに大きな変動があった場合など、必要に応じていつでも行うべきです。「価格交渉 促進月間」は、あくまで交渉を始めるきっかけを作りやすくするための「強化月間」です。

この月間をきっかけに交渉のノウハウを身につけ、今後はいつでも適切なタイミングで交渉を切り出せる体制を社内で構築していくことが、持続的な経営のためには重要です。9月を、その第一歩と位置づけましょう。


まとめ:価格交渉は、未来を切り拓くための「権利」であり「責務」である

ここまで、「価格交渉 促進月間」を軸に、建設業者が直面する課題と、それを乗り越えるための具体的な交渉術について詳しく解説してきました。

もはや、価格交渉は単なる「お願い」ではありません。コスト上昇分を適切に転嫁し、自社の利益を確保することは、会社を存続させ、従業員の雇用と生活を守り、そして将来にわたって社会に貢献し続けるための、企業に与えられた正当な「権利」です。そして同時に、業界全体の健全なサプライチェーンを維持し、次世代の担い手を育てていくための「責務」でもあります。

厳しい航海はまだ続くかもしれません。しかし、私たちには「価格交渉 促進月間」という追い風が吹き、公的支援という羅針盤があります。そして何より、この記事で解説した交渉術という航海術があります。どうか、この9月を絶好の機会と捉え、勇気を持って交渉のテーブルについてください。

その一歩が、貴社の経営を安定させ、従業員に笑顔をもたらし、ひいては日本の建設業界全体の明るい未来を切り拓く、大きな力となることを信じてやみません。

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