誰でも通る道?建設業におけるファクタリングの真実
「資金繰りが厳しい…」「でも、銀行融資はハードルが高い…」
こんな悩みを抱えている建設会社の経営者の方、少なくないのではないでしょうか?そんな時に耳にする「ファクタリング」。一見、資金繰り問題の救世主のように思えますが、本当にそうでしょうか?
今回は、建設業にとって身近な存在になりつつある「ファクタリング」について、その仕組みからメリット・デメリット、注意点まで、徹底的に解説していきます。
資金繰りの「誰でも通る道」? ファクタリングとは?
ファクタリングとは、簡単に言えば「売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらう資金調達方法」のことです。
例えば、あなたが依頼された建設工事を無事に終え、請求書を発行したとします。しかし、実際に支払いを受けるのは2ヶ月後…なんてことは建設業界では日常茶飯事です。この2ヶ月間、あなたは人件費や材料費などの支払いをしなければなりませんが、手元には資金がありません。そこで登場するのがファクタリングです。
ファクタリング会社に依頼すれば、この2ヶ月後の入金見込みの請求書を買い取ってもらい、すぐに資金調達ができるという仕組みです。
なぜ建設業界でファクタリングが「誰でも通る道」になりつつあるのか?
建設業界では、他の業界と比べて、なぜファクタリングの利用が多いのでしょうか?そこには、業界特有の事情が関係しています。
① 長期化する支払いサイト
建設業界では、一般的な企業と比べて、支払いサイトが長期に設定されていることがほとんどです。大規模な工事になれば、数ヶ月先、長い場合は半年後になるケースもあります。そうなると、資金回収までの期間が長くなり、どうしても資金繰りが厳しくなってしまうのです。
② 銀行融資のハードルの高さ
資金繰りの解決策として、まず思い浮かぶのは銀行融資でしょう。しかし、近年では銀行の審査基準が厳格化しており、特に中小規模の建設会社にとっては、融資を受けることが難しくなっています。担保や保証人の問題、過去の決算書の状況など、クリアしなければならないハードルは少なくありません。
③ ファクタリングは審査が比較的柔軟
ファクタリングは、銀行融資と比べて審査が比較的柔軟であることも、建設業界で利用が増えている理由の一つです。ファクタリング会社は、主に売掛債権の質を評価するため、会社の財務状況が厳しい場合でも、利用できる可能性があります。
「誰でも通る道」と安易に考えてはいけない!ファクタリングの注意点
ファクタリングは、確かにスピーディーな資金調達が可能となる便利なサービスです。しかし、「誰でも通る道」と安易に考えてしまうのは危険です。利用する前に、以下の点に注意する必要があります。
① 手数料・金利
ファクタリング会社は、売掛債権を買い取る際に、手数料や金利を徴収します。手数料は、ファクタリング会社や契約内容によって異なりますが、一般的には2〜20%程度です。金利は、年利ではなく、日割りで計算されるため、注意が必要です。
② 信頼できるファクタリング会社選び
ファクタリング業界には、残念ながら悪質な業者も存在します。法外な手数料を請求されたり、契約後にトラブルに巻き込まれたりするケースもあるため、信頼できるファクタリング会社を選ぶことが重要です。実績や評判などをしっかりと確認しましょう。
③ ファクタリングはあくまでも一時的な対処法
ファクタリングは、あくまでも一時的な資金繰り対策です。根本的な解決策ではありません。ファクタリングに頼り続けるのではなく、日頃から資金管理を徹底し、健全な経営状態を維持することが大切です。
まとめ|ファクタリングは「誰でも通る道」ではない
今回は、建設業におけるファクタリングについて解説しました。ファクタリングは、資金繰りの強い味方となる一方で、リスクも伴います。利用する際は、メリット・デメリットを理解した上で、慎重に判断することが重要です。
「誰でも通る道」と安易に考えるのではなく、自社の状況に合わせて、賢く活用していきましょう。
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